PROFILE
人物プロフィール
舞台『四畳半神話大系』の小津役や、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』『まんぷく』で大窪人衛さんを知り、「この人はどんな俳優なんだろう」と気になった人も多いかもしれません。
1989年3月4日生まれの大窪さんは京都府出身で、2010年から劇団イキウメに参加してきた俳優です。
その少し前を見てみると、20歳のころは専門学生で、21歳の時点では役者をするために京都から上京し、夜にアルバイトをしながら芝居や映画を観る生活を送っていました。
そこから舞台『プランクトンの踊り場』で俳優として歩き始め、『散歩する侵略者』『暗いところからやってくる』などの舞台を重ねていきます。
今回は、そんな大窪人衛さんの生い立ちや家族、学生時代、京都から上京した若手時代、イキウメへの参加と俳優デビュー、その後の転機をご紹介します。
大窪人衛の生い立ち|京都府で生まれ、役者を目指すまで
大窪人衛さんは1989年3月4日、京都府生まれです。
小学校や中学校、高校の名前までは確認できませんが、後年の本人の言葉から、子どものころに夢中になっていたものと、俳優になる直前の学生生活は少しずつ見えてきます。
1989年京都府生まれ|幼少期と地元で確認できること
所属事務所のプロフィールでは出身地が京都府とされていますが、京都府内のどの地域で生まれ育ったのかまでは明らかになっていません。
幼少期について本人が具体的に話した珍しいエピソードが、2024年のイキウメ『奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話』のインタビューにあります。
大窪さんは映画『学校の怪談』が大好きだったと話し、小学生の夏をこう振り返っています。
小学生のときは夏になったら狂うように見ていました(笑)。
出典:SPICE「前川知大×安井順平×森下創×大窪人衛『小泉八雲は”聴覚の人”だと思うんです』~イキウメ『奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話』インタビュー」(2024年7月30日)
怪談や少し不思議な世界に触れていた小学生時代の記憶は確認できますが、この映画体験が直接、俳優を志すきっかけになったと本人が話しているわけではありません。
子どものころの夢や、いつから演劇に興味を持ったのかについては、具体的な時期を断定できる本人発言は見つかっていません。
学生時代と大学は?上京前の進路を追う
大窪さんの学歴を調べると「大学」が気になりますが、少なくとも2009年の時点では、本人が「20歳で専門学生でした」と明言しています。
これは、2009年に初演された『奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話』を2024年にイキウメで再演した際、当時を振り返って語ったものです。
僕は初演のときは、20歳で専門学生でした。
出典:ぴあエンタメ情報「前川知大×安井順平×森下創×大窪人衛にインタビュー 舞台『奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話』がまもなく開幕へ」(2024年7月25日)
大学名や大学在学歴を確定できる資料はなく、確認できるのは2009年の大窪さんが20歳の専門学生だったという本人の言葉までです。
専門学校の校名や専攻、高校卒業後すぐに進学したのかといった詳しい経路も公に確認できません。
一方で、2009年の『奇ッ怪』初演時について大窪さんは「まだ劇団員じゃなかった」とも振り返っており、このころはイキウメへ参加する前でした。
翌2010年にはイキウメの舞台へ出演し、21歳で俳優デビューしました。
大窪人衛の家族|父親・母親・兄弟姉妹について
大窪さんの生い立ちを考えるうえで家族は気になるところですが、父親・母親・兄弟姉妹について具体的な家族構成を示す信頼できる公開情報は多くありません。
そのため、家族の職業や兄弟の有無などを推測で補わず、確認できる範囲を整理します。
家族構成について確認できること
京都府出身であることは公式プロフィールで確認できますが、幼少期に誰と暮らしていたのか、父親や母親がどのような仕事をしていたのかといった家庭の具体像までは確認できません。
兄弟姉妹についても、本人や所属事務所による確かな情報は見つかっていません。
後年のインタビューでは幼少期の映画の思い出や劇団での話は語っているものの、家族について詳しく触れる場面は限られています。
俳優を目指した時期と家族の関わりを追う
大窪さんが役者をするために京都から上京したことは、俳優の安井順平さんが若手時代の大窪さんについて記した公式ブログから確認できます。
ただし、その進路を家族へいつ伝えたのか、両親が上京を後押ししたのか、反対や相談があったのかといった具体的なやり取りまでは分かっていません。
学生時代から上京までの細かな順序は分かりませんが、2009年には専門学生でイキウメ加入前、21歳の時点では京都から役者をするために上京して東京で生活していたことまで確認できます。
役者を目指して京都から上京|21歳ごろの若手時代
東京へ出た大窪さんの若手時代については、当時イキウメへ客演していた安井順平さんが残した記録から、かなり具体的な生活が分かります。
21歳だった大窪さんは、舞台に立つ一方で夜にアルバイトをし、その給料を使って芝居や映画を観ていました。
夜のアルバイトをしながら芝居と映画を観る日々
安井さんは公式ブログで、大窪さんを「京都から役者をやるために上京」した21歳として紹介しています。
夜中にアルバイトをし、その給料で芝居や映画を観ながら日々勉強しているとも書いていました。
アルバイトの職種までは明らかになっていませんが、働いて得たお金を観劇や映画鑑賞へ使っていた若手俳優時代がここには残っています。
所属事務所のプロフィールでも趣味は「観劇・映画鑑賞」とされており、少なくとも21歳のころにはすでに日常の中に芝居と映画がありました。
安井順平が「弟」のように見守っていた新人時代
この時期の大窪さんを近くで見ていた一人が、俳優の安井順平さんです。
安井さんは大窪さんと食事をした日のブログで、自分には実際に3歳下の弟がいるとしたうえで、大窪さんもある意味では弟だと思っていると記しています。
初対面のころに説教をしたこともあったそうで、最後には再び食事へ誘う言葉とともに「弟よ」と呼びかけていました。
芸能界入りの華やかなエピソードというより、東京で暮らす若い役者が、先輩俳優と関わりながら舞台に立っていたころの様子が伝わる記録です。
2010年にイキウメへ|『プランクトンの踊り場』で俳優デビュー
大窪さんの俳優としての出発点として確認できるのが、2010年のイキウメ参加です。
日本タレント名鑑では2010年をデビュー年、舞台『プランクトンの踊り場』をデビュー作として掲載しています。
イキウメへ参加した経緯
所属事務所も「2010年『イキウメ』に参加」と紹介しており、2009年の本人発言と合わせると、専門学生だった時期の翌年に劇団へ加わったことが分かります。
一方で、どこでイキウメを知ったのか、どのような選考を経て参加したのかといった具体的な応募経緯は、本人や劇団の公開一次資料でははっきり確認できません。
そのため「スカウトされた」「知人の紹介だった」といった形にはせず、2010年に参加したという確定した地点から俳優活動を見ていくのが自然です。
大窪さんの場合、確認できる芸能活動のスタートと舞台俳優としてのデビューがともに2010年のイキウメ参加期に重なっています。
デビュー作『プランクトンの踊り場』
俳優デビュー作として確認できるのは、イキウメ『プランクトンの踊り場』です。
同作は2010年5月8日から23日まで東京・赤坂RED/THEATER、その後5月26日から30日まで大阪・HEP HALLで上演され、大窪さんも出演者に名を連ねています。
21歳になったばかりの時期に、東京だけでなく大阪公演にも参加していました。
2009年の『奇ッ怪』初演時にはまだ劇団員ではなかった本人が、翌年には前川知大さんが作・演出するイキウメ作品の舞台に立っていたことになります。
『図書館的人生Vol.3』『春々』へ続いた最初の一年
デビューした2010年は『プランクトンの踊り場』だけで終わらず、イキウメ『図書館的人生Vol.3 食べもの連鎖』にも出演しました。
『図書館的人生Vol.3』は同年10月29日から11月7日まで東京・シアタートラムで上演され、大窪さんも出演しています。
さらに、ノゾエ征爾さんが作・演出を手がけたはえぎわ『春々』にも出演しており、俳優活動の初年からイキウメ以外の舞台にも立っていました。
夜にアルバイトをしながら芝居を観ていたという安井さんの記録も、この複数の舞台へ出演していた時期と重なります。
『散歩する侵略者』から始まった新人時代の転機
2010年に舞台デビューしたあと、大窪さんは翌年からイキウメの主要作品で特徴の強い役を任されていきます。
なかでも2011年の『散歩する侵略者』と2012年の『暗いところからやってくる』は、所属事務所のプロフィールでも初期キャリアを説明する作品として挙げられています。
2011年『散歩する侵略者』で演じた中学生役
2011年、大窪さんはイキウメ『散歩する侵略者』に出演し、狂気をのぞかせる大人びた中学生を演じました。
当時22歳の大窪さんが演じたのは、実年齢よりかなり若い人物です。
この年には同じイキウメの『太陽』にも出演し、松居大悟さん作・演出の『神社の奥のモンチャン』にも参加しています。
出演作を増やすだけでなく、イキウメ内外で異なる演出家の舞台に立つ時期へ入っていました。
2012年『暗いところからやってくる』で主人公に
翌2012年には、前川知大さんが作、小川絵梨子さんが演出したKAATキッズ・プログラム『暗いところからやってくる』で、主人公の中学生・輝夫を演じました。
物語は引っ越した古い家で不可思議な出来事に遭遇する少年を中心に進み、大窪さんは怪奇現象に悩む思春期の主人公を担っています。
小学生時代に『学校の怪談』を繰り返し観ていたという本人の昔話を知ると興味深い組み合わせですが、本人はその幼少期の経験がこの配役につながったとは話していません。
同作は2014年にも再演され、大窪さんは再び輝夫役として出演しました。
デビューから2年ほどで、年齢より若い中学生役を続けながら、一作品の中心人物まで任されるようになっていた時期です。
舞台の外へ|『The Name』と映画『ロボジー』
舞台を軸にする一方で、大窪さんは2012年公開の映画『ロボジー』でスクリーンにも進出しました。
矢口史靖監督の『ロボジー』は2012年1月14日に劇場公開され、所属事務所は同作を大窪さんのスクリーンデビューとして紹介しています。
同作のサイドストーリー『ロボット大戦・前夜』では、ロボットオタクの主人公も演じました。
2013年には鈴木おさむさん作・演出の舞台『The Name』に出演し、今田耕司さんや立川談春さんらと共演しています。
イキウメで始まった俳優活動は、20代前半のうちに外部舞台と映画へも広がっていきました。
イキウメを拠点に広がった大窪人衛の俳優キャリア
大窪さんはその後もイキウメの舞台を活動の軸にしながら、テレビドラマ、映画、劇団外の舞台へ出演を重ねました。
検索でよく見かける『半分、青い。』『まんぷく』から2025年の『ずれる』、2026年の『四畳半神話大系』までを、出演一覧ではなく節目となった仕事に絞って見ていきます。
『半分、青い。』『まんぷく』など映像作品へ
2018年、大窪さんはNHK大河ドラマ『西郷どん』第23回・第30回に近衛忠房役で出演し、同じ年に連続テレビ小説『半分、青い。』第130回にも登場しました。
『半分、青い。』では、有田哲平さん演じる津曲雅彦のオフィスで働くデザイナーを演じています。
さらに同年の連続テレビ小説『まんぷく』第4週では、疎開先の黒竹村で暮らす若林武役として出演しました。
萬平が激しい腹痛に見舞われた場面で呼ばれてくる近所の青年で、短い登場ながら、表情や特徴のある声も印象に残る役でした。
2018年は『西郷どん』『半分、青い。』『まんぷく』とNHK作品への出演が続き、舞台を中心に活動してきた大窪さんをテレビで目にする機会も増えています。
その後も映画『閉鎖病棟―それぞれの朝―』『猿楽町で会いましょう』、WOWOWドラマ『川のほとりで』など、映像作品への出演を重ねました。
一方で舞台から離れたわけではなく、イキウメ公演のほか、二兎社『歌わせたい男たち』やシス・カンパニー『友達』など劇団外の作品にも出演しています。
2025年『ずれる』で読売演劇大賞優秀男優賞
俳優として15年ほど活動した2025年、大窪さんはイキウメ『ずれる』で小山田春を演じました。
春は会社を継いだ兄・輝の弟で、療養所から戻ったあと実家で暮らしながら、兄とは異なる価値観をぶつけていく人物です。
『ずれる』は浜田信也さん、安井順平さん、盛隆二さん、森下創さん、大窪さんというイキウメの劇団員5人で上演された新作で、公演後に本公演が不定期へ移る節目の作品でもありました。
同作での演技は第33回読売演劇大賞の選考で評価され、優秀男優賞に選ばれています。
2010年に初舞台へ立ったイキウメで、長く活動を重ねた先に生まれた受賞となりました。
2026年『四畳半神話大系』小津役|独特の声でも注目
2026年、大窪さんは森見登美彦さんの小説を初めて舞台化した『四畳半神話大系』で、主人公「私」の宿敵であり盟友でもある小津を演じました。
出演発表時には、小津役が決まったときの気持ちを本人が率直に話しています。
「小津をやる」と決まってから、正直なところ期待と怖さで震えています(笑)。
出典:Entertainment Press「原作 森見登美彦 × 脚本・演出 上田 誠(ヨーロッパ企画) × 主演 伊野尾 慧『四畳半神話大系』初舞台化! 全キャスト発表!! メインビジュアル公開!!」(2026年2月15日)
実際に舞台が開幕すると、大窪さんの小津は役柄だけでなく、特徴のある声や舞台上での空気感も評されました。
2026年5月の舞台レポートでも、「独特の声と空気感」を持つ俳優として紹介されています。
東京公演を終えた2026年5月31日には、脚本・演出を務めた上田誠さんが所属するヨーロッパ企画の公式YouTubeにゲスト出演し、舞台の裏話や小津という役へのアプローチについて話しました。
『四畳半神話大系』は2026年5月17日から31日まで東京・新国立劇場 中劇場、6月4日から9日まで大阪・東京建物 Brillia HALL 箕面 大ホールで上演され、大窪さんは小津という強いキャラクターを演じました。
イキウメで長く舞台に立ってきた大窪さんにとって、『四畳半神話大系』は別の演劇チームで小津を演じ、その声や空気感にも言及された一作となりました。















