PROFILE
人物プロフィール
2022年に「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリを受賞し、10歳で芸能界入りした女優の白山乃愛(しろやま のあ)さん。
翌2023年には、坂口健太郎さん主演のドラマ『Dr.チョコレート』で、演技未経験ながら物語の中心となる少女を演じました。
その後もドラマや映画で経験を重ね、2026年には映画『秒速5センチメートル』で第49回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞しています。
そんな白山さんが初めてオーディションに挑戦した背景には、母親が見つけた募集案内と、家族全員で重ねた演技の練習がありました。
今回は、そんな白山乃愛さんの生い立ちや両親・姉2人との家族関係、小学生時代のバレエ、東宝シンデレラへの挑戦から女優デビューまでの道のりをご紹介します。
白山乃愛の生い立ち|埼玉県で育った幼少期
白山乃愛さんは、2012年7月11日生まれ、埼玉県出身です。
東宝芸能の公式プロフィールには、特技としてクラシックバレエと習字が挙げられています。
幼いころから人前で何かを披露することが好きで、家族の前でも自分なりに考えたダンスを踊っていたそうです。
そのころは、決まった振り付けを覚えるというよりも、思いついた動きを自由に組み合わせて踊ることを楽しんでいました。
幼いころから歌やダンスで人前に立つことが好きだった
白山さんは、2022年の「東宝シンデレラ」オーディションでも、人前で表現することへの思いを語っていました。
人前で何か表現することが好きです。
出典:東宝芸能「第9回『東宝シンデレラ』オーディション/『TOHO NEW FACE』オーディション授賞式レポート」(2022年11月10日)
小学生になると、学校でも友達の前で変顔をして笑わせたり、面白いことを考えて披露したりしていました。
2023年のインタビューでは、自分でも明るく前向きな性格だと思うと話し、友達からも面白いと言われることが多かったそうです。
絵を描くことが特別得意というわけではありませんでしたが、真剣に描いた絵を見た友達が笑顔になるのがうれしかったとも語っています。
家では自由に踊り、学校では友達を楽しませることが好きだった白山さん。
2022年に芸能界入りするまで、テレビドラマで演技をした経験はありませんでした。
白山乃愛の家族|父親・母親と2人の姉
白山乃愛さんの家族は、父親・母親・姉2人・本人の5人家族です。
2025年のインタビューでは、姉が2人いることを本人が明かしており、両親についてもオーディション当時の思い出や普段の家庭での様子を語っています。
特に母親は、白山さんが芸能界へ入るきっかけを作った人物でもあります。
母親が「乃愛」という名前に込めた願い
「乃愛」という名前には、母親の願いが込められています。
2025年にENCOUNTのインタビューを受けた白山さんは、母親が名前をつけた理由について次のように話しました。
いろんな人に愛されてほしい
出典:ENCOUNT「転機は『東宝シンデレラ』グランプリ受賞 実写『秒速5センチメートル』でヒロイン演じた13歳・白山乃愛の素顔」(2025年10月11日)
また、バラエティー番組で武田鉄矢さんから「乃」という漢字について教えてもらったこともあり、名前に使われている文字への理解を深めたそうです。
母親については、2025年の別のインタビューでも、悲しいときに慰めてくれる存在だと話しています。
仕事で憧れているのは長澤まさみさんですが、普段の生活で目標にしている大人は母親だそうです。
父親との思い出と初めて家族と離れた合宿
父親との関係が伝わるのは、2022年の「東宝シンデレラ」オーディションで行われた合宿審査のエピソードです。
当時10歳だった白山さんにとって、両親と離れて泊まるのは初めての経験でした。
合宿に密着していた『めざましテレビ』の軽部真一アナウンサーから、寂しくないかと尋ねられると、普段は父親と一緒に寝ていると明かしました。
そのうえで、寝つけるかどうかよりも、父親に起こしてもらえない朝のほうを心配していたのです。
いや、起きるほうが心配です。
出典:めざましmedia「可愛すぎる10歳が史上最年少シンデレラに!合宿密着~めざましテレビ生出演レポ」(2022年11月15日)
朝には電話をかけてもらえるとも話しており、初めての合宿を迎えた小学生らしいやり取りが残っています。
また、2025年のインタビューでは、父親が作るスパゲティが好きだという家庭での話も紹介されていました。
父親の職業や詳しい経歴よりも、こうした本人の言葉から家庭での関係が伝わってきます。
高校生の姉が2人いる三姉妹
白山さんには、年上の姉が2人います。
2025年10月に掲載された映画『秒速5センチメートル』のインタビューでは、当時、姉2人が高校生だったことを本人が明かしました。
映画の高校生パートについて感想を聞かれた白山さんは、楽しそうに学校生活を送る姉たちの姿を見て、高校生に憧れを持っていると話しています。
また、2023年のドラマ『ゆりあ先生の赤い糸』では、妹がいる役柄を演じるにあたって、実生活には妹がいないことも語っていました。
白山さん自身は三姉妹の末っ子という立場で育ち、ドラマでは自分が姉になるという、家庭とは違う関係を演じることになったのです。
白山さんは2025年のインタビューで、大阪にある祖母の家の自然の空気や、祖父が作る卵焼きについても語っています。両親や姉だけでなく、祖父母との思い出も本人の言葉として残されています。
家族全員で取り組んだオーディションの練習
白山さんが初めて女優を目指して挑戦したオーディションでは、家族が練習相手になってくれました。
学校から帰ると母親と演技の練習を行い、週末になると家族全員で取り組んでいたそうです。
両親も演技を専門的に学んでいたわけではありませんでしたが、同じ言葉を違う気持ちで話してみるなど、一緒に工夫を重ねました。
白山さんは、2023年の週プレNEWSのインタビューで、この練習期間について次のように振り返っています。
家族全員で獲れた賞だと思います!
出典:週プレNEWS「6年ぶり開催の『東宝シンデレラ』オーディショングランプリは10歳の白山乃愛!」(2023年4月23日)
母親との演技練習は、芸能界入りしてからも続きました。
2024年に東宝芸能が公開したインタビューでは、まず1人で台本のセリフを覚え、その後に母親と確認しながら演技の練習をする方法へ変えたと話しています。
以前は最初から母親と演技をしていたものの、演じることに気持ちが向いて、セリフを覚える作業が十分に進まなかったこともあったそうです。
作品に出演するようになってからも、母親は身近な練習相手でした。
白山乃愛の小学生時代|バレエと習字、学校での素顔
白山乃愛さんは、小学生時代にクラシックバレエや習字を習い、学校では友達との遊びを楽しんでいました。
2022年のグランプリ受賞時は小学4年生で、翌2023年に女優デビューしたときは小学5年生でした。
芸能界入り前の日常についても、当時のインタビューで具体的な様子を話しています。
クラシックバレエを5年間続けた子ども時代
白山さんは、2022年の「東宝シンデレラ」オーディション時点で、クラシックバレエを5年間続けていたと話しています。
バレエでは、きれいな衣装を着て踊ることが楽しかったそうです。
オーディションの審査にも歌やダンスを披露する機会があり、白山さんはそれまでに親しんできた身体表現を生かして参加しました。
2025年のインタビューでも、バレエで経験した身体の使い方が演技に役立っていると語っています。
一方、2020年にバレエ用品ブランド「チャコット」のキッズモデルに選ばれたという情報も知られていますが、当時の活動の詳細については、確認できる記録が限られています。
少なくとも、テレビドラマでの演技を始めたのは2023年であり、バレエ経験と女優としてのデビューは別の経歴です。
一輪車や鬼ごっこが好きだった小学校生活
学校で好きだった遊びは、一輪車と鬼ごっこでした。
友達と一輪車で学校の周りを回ったり、外で体を動かしたりする時間を楽しんでいたそうです。
体育も好きな教科で、縄跳びや反復横跳びを得意としていました。
2022年の合宿審査で学校生活について聞かれた際にも、こうした普段の遊びをすぐに挙げています。
オーディションでグランプリを受賞したあとは、クラスの友達が声をかけて祝福してくれました。
担任の先生からも、白山さんの似顔絵と応援メッセージが贈られたそうです。
その絵は自宅に持ち帰り、東宝シンデレラのトロフィーと一緒に飾っていると、2023年のインタビューで話していました。
習字が得意で友達を笑わせることも好きだった
白山さんは、習字も得意としています。
2024年に公文式のCMへ初出演した際のインタビューでは、習字の基礎となる「止め」「跳ね」「はらい」を繰り返し練習した経験について話しました。
最初に基本の動きを身につけたことで、難しい漢字も書けるようになったそうです。
また、学校の勉強では宿題を丁寧に仕上げることを意識し、テストでは見直しを習慣にしていたと語っています。
英語も好きな教科の一つで、小学4年生から学び始めたと2025年のインタビューで明かしていました。
学校では勉強や習い事に取り組む一方、友達を笑わせることも好きだった白山さん。
2023年のインタビューでは、誕生日の夕食にハンバーガーを食べるのが楽しみだったと話しています。生クリームがあまり得意ではなく、デザートにはフルーツポンチを作ってもらっていたそうです。
小学校での生活を送りながら、白山さんの気持ちは少しずつ女優という仕事へ向かっていきました。
長澤まさみへの憧れから「東宝シンデレラ」へ
白山乃愛さんが女優に憧れるようになったきっかけの一つは、長澤まさみさんの演技でした。
もともとテレビドラマを見ることが好きで、その中でも『コンフィデンスマンJP』に出演する長澤さんの姿が印象に残っていたそうです。
『コンフィデンスマンJP』を見て女優に憧れた
『コンフィデンスマンJP』は、長澤まさみさん演じるダー子が、さまざまな人物になりすまして活躍する作品です。
白山さんは、ダー子が勢いよく動く場面と真剣に演じる場面の違いに引かれていました。
2023年のTVガイドWebのインタビューでも、長澤さんにしかできないと思える演技が好きだったと振り返っています。
2022年の東宝シンデレラ受賞発表後にも、憧れの女優として長澤さんの名前を挙げました。
長澤さん自身も、2000年の第5回「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリを受賞しています。
白山さんは、その先輩女優と同じオーディションに挑戦することになりました。
母親が見つけたオーディションに応募
2022年、東宝の創立90周年を記念して、第9回「東宝シンデレラ」オーディションが開催されました。
前回の開催から6年ぶりとなる募集で、応募対象は満10歳から満22歳までの女性でした。
白山さんは2012年7月生まれで、応募締め切りの直前に10歳を迎えています。
母親がオーディションの案内を見つけると、白山さん自身が挑戦したいと希望しました。
本人にとって、これが人生で初めて受ける本格的なオーディションでした。
演技経験はありませんでしたが、女優になりたいという気持ちを持って審査へ進んでいきました。
10歳で「東宝シンデレラ」史上最年少グランプリ
2022年11月6日、白山乃愛さんは第9回「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリを受賞しました。
10歳での受賞は、同オーディション史上最年少でした。
この回には1万2701人が応募しており、白山さんは数々の審査を経てグランプリに選ばれました。
初めてのオーディションと合宿審査
2022年の審査は、WEBでの書類応募から始まり、全国6地区での第2次審査、東京と大阪での第3次審査を経て、合宿審査へと進みました。
合宿では、演技・ダンス・歌などのレッスンが行われました。
白山さんは、人前で自分を表現することが好きだった一方、合宿で両親と離れて過ごすのは初めてでした。
審査では、歌やダンスだけでなく、参加者の表現力や個性も見られていました。
白山さんは審査を終え、グランプリ発表会の舞台に立ちました。
グランプリ発表で流した涙と両親への感謝
発表会では、第7回東宝シンデレラのグランプリ受賞者である上白石萌歌さんがプレゼンターを務めました。
自分の名前がグランプリとして呼ばれると、白山さんは驚き、目に涙を浮かべました。
上白石さんからトロフィーを受け取り、ティアラとマントを身につけた姿が報道されています。
受賞後のインタビューでは、両親に対して、自分を産んでくれたことへの感謝も伝えました。
そのときの表情や、受賞直後の本人の言葉は、当日の映像にも残されています。
東宝芸能も、同日のグランプリ決定を公式Xで発表しています。
グランプリを受賞してからは、街で声をかけられる機会も増えたそうです。
2023年10月の『ゆりあ先生の赤い糸』制作発表会では、受賞する前はテレビを見る側だったのに、翌日には自分がテレビに映る側になっていたと振り返っています。
それまで家庭や学校で過ごしていた小学生が、芸能界で仕事をする立場へ変わった出来事でした。
『Dr.チョコレート』で演技未経験から女優デビュー
「東宝シンデレラ」グランプリ受賞後、白山乃愛さんは東宝芸能に所属し、女優としての活動を始めました。
最初のテレビドラマ出演作となったのが、2023年4月22日に放送が始まった日本テレビ系『Dr.チョコレート』です。
坂口健太郎さんが主演を務める作品で、白山さんは天才的な手術の腕を持つ10歳の少女・寺島唯を演じました。
東宝シンデレラのグランプリ受賞とは別に、女優としての演技を始めた重要な作品です。
寺島唯役に選ばれたサプライズ合格
白山さんは『Dr.チョコレート』のオーディションを受けたとき、寺島唯役を自分が演じたいという気持ちを強く持っていました。
オーディションでは、泣く演技や医療道具を使う演技にも挑戦したそうです。
しかし、最終的に役に選ばれたことを知らされた場面は、本人が想像していたものとは違いました。
次のオーディションだと思って訪れたところに、主演の坂口健太郎さんが登場したのです。
坂口さんから合格をサプライズで伝えられ、白山さんは驚きのあまり、すぐには状況を理解できなかったと話しています。
2023年3月には、東宝芸能も公式Xで『Dr.チョコレート』への出演決定を発表しました。
2023年4月のインタビューでは、初めてのドラマ撮影で坂口さんが優しく接してくれたことや、共演者に助けられたことを振り返っています。
テレビで見ていた坂口さんの印象と、実際に会ったときの印象にも違いがあったそうです。
初めての撮影で挑んだ手術シーン
『Dr.チョコレート』の寺島唯は、普段は普通の10歳の少女ですが、手術になると大人顔負けの判断力を発揮する役柄でした。
初めての演技仕事で、白山さんは医療用語や手術の動作を覚える必要がありました。
メスの持ち方や使い方、縫合の動きなどは、それまでの生活では経験したことのないものばかりだったそうです。
撮影現場には医師も参加し、医療器具の扱い方などを教えてくれました。
白山さんは、教わった動作を繰り返し練習しながら撮影に臨みました。
2023年6月のTVガイドWebのインタビューでは、手術シーンの専門用語を覚えることも難しかったと振り返っています。
演技経験のない状態で出演が決まっただけでなく、最初の役から専門的な動作と複雑なセリフが求められていました。
坂口健太郎や監督から学んだ新人時代
初めてのドラマ撮影では、共演者たちの演技を観察することも多かったそうです。
白山さんは2023年のインタビューで、坂口さんが息を吐きながらセリフを話す様子を見て、言葉の雰囲気を変える表現方法に興味を持ったと話しています。
また、おとなしい人物を演じるときには、学校で見かける静かな友達の様子を参考にすることもあったそうです。
現場では、共演者やスタッフから演技について助言を受けながら、一つずつ覚えていきました。
初めての撮影を終えたあとも、演技をする楽しさと難しさについて本人が語る機会が増えていきます。
『Dr.チョコレート』の撮影では、鈴木紗理奈さんとも親しくなり、互いを下の名前で呼び合う関係になっていたと日本テレビが紹介しています。
2023年6月に迎えたクランクアップでは、涙を見せながら撮影を終えました。
初めての女優としての仕事を通して、台本の覚え方、役の作り方、共演者との関わり方を学ぶことになりました。
ドラマで経験を重ね『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』で映画初出演
『Dr.チョコレート』で女優デビューした白山乃愛さんは、その後もドラマへの出演を重ねました。
最初の作品では天才外科医という特殊な役を演じましたが、次第に家族との関係や学校生活など、異なる背景を持つ少女の役にも挑戦しています。
『ゆりあ先生の赤い糸』などで広がった役柄
2023年10月に放送されたテレビ朝日系ドラマ『ゆりあ先生の赤い糸』では、小山田まに役を演じました。
まには、母親を気遣いながら妹の面倒も見る、しっかりした少女です。
白山さん自身は、2023年の作品公式コメントで、実生活では少し甘えん坊なところがあると話していました。
そのため、自分とは違うしっかりした少女を演じられることがうれしかったそうです。
また、作品では妹がいる役だったため、実生活にはいない妹との関わりも楽しみにしていました。
2024年には『Re:リベンジ-欲望の果てに-』や『スカイキャッスル』にも出演しました。
家庭環境や性格の異なる人物を演じる機会が増え、作品ごとに新しい役と向き合うようになりました。
2024年の映画初出演と新たな演技経験
2024年12月13日に公開された実写映画『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』では、初めて映画のスクリーンに登場しました。
白山さんが演じたのは、ものまねタレントになることを夢見る小学生・大野藍花です。
藍花は、願いをかなえるため、銭天堂で「インココイン」という駄菓子を購入する人物でした。
白山さんは、原作小説が学校の図書館にあり、テレビアニメも見ていたため、もともと『銭天堂』を知っていたと話しています。
撮影では、駄菓子が並ぶ店内のセットや、銭天堂へ続く細い路地など、作品の世界を再現した美術にも驚いたそうです。
完成した映画を見た際には、自分が大きなスクリーンに映っていることを不思議に感じたと語っています。
2024年11月の完成報告イベントには、主演の天海祐希さんや共演者とともに登壇しました。
天海さんから演技について温かい言葉をかけられる場面もあり、映画初出演の経験を振り返っています。
テレビドラマで女優としての活動を始めた白山さんにとって、映画館のスクリーンで自分の演技を見るのは新しい体験でした。
『秒速5センチメートル』で日本アカデミー賞新人俳優賞へ
2025年10月10日に公開された実写映画『秒速5センチメートル』では、白山乃愛さんが篠原明里の少女時代を演じました。
新海誠監督のアニメーション作品を実写化した映画で、主人公・遠野貴樹と篠原明里の幼いころから続く関係が描かれています。
白山さんはオーディションで役をつかみ、上田悠斗さん演じる貴樹とともに、物語の始まりとなる小学生時代の場面を担当しました。
篠原明里の少女時代を演じた映画
『秒速5センチメートル』のオーディションでは、当日に渡された台本をその場で覚えて演技したそうです。
白山さんは、相手役の目を見ながらセリフを話すことを意識して臨みました。
選考を受けるうちに、もっと明里を演じたいという気持ちが強くなったと、2025年のインタビューで語っています。
映画で演じる明里は、引っ越しを繰り返しながら、遠く離れた相手を思う少女です。
一方、白山さん自身には引っ越しの経験がなく、大切な人と離れて暮らした経験もありませんでした。
そのため、役柄が抱える感情を理解することに難しさを感じたそうです。
撮影では、奥山由之監督と相談しながら、人物の気持ちや行動を一つずつ考えていきました。
自然な会話の演技を学んだ撮影
『秒速5センチメートル』の撮影前には、奥山監督によるワークショップが行われました。
最初は鬼ごっこなどで緊張をほぐし、その後、共演する上田悠斗さんと自然に会話する練習をしたそうです。
2人が何気なく話した内容を監督が台本にして、それを覚えて演じるという方法も試しました。
白山さんは当初、明里という人物になりきることを強く意識していました。
しかし、奥山監督からは役を理解すると同時に、自分らしい自然な表現も大切にするよう助言を受けています。
自分らしさを出すことも大切
出典:otocoto「映画『秒速5センチメートル』白山乃愛インタビュー 正統派美少女が表現した未経験の感情」(2025年10月)
撮影では、あらかじめ決められたセリフを話すだけでなく、場面に合わせて自然に言葉を返すアドリブにも挑戦しました。
最初は難しく感じたものの、監督から場面の状況を説明してもらうことで、少しずつ会話を続けられるようになったと振り返っています。
また、雪の中での撮影では厳しい寒さを経験し、電話ボックスで涙を流す場面では、実生活で経験したことのない別れの感情を演じました。
役柄の気持ちを考えて演じるうちに自然と涙が流れたこともあり、それまで知らなかった感情に触れる機会になったそうです。
2023年の『Dr.チョコレート』では医療用語や手術の動作を覚えることに苦労しましたが、この映画では、自然な会話や自分自身が経験していない感情を表現することが新たな課題になりました。
2026年、第49回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞
2026年1月19日、第49回日本アカデミー賞の受賞者が発表され、白山乃愛さんは映画『秒速5センチメートル』で新人俳優賞に選ばれました。
同年3月13日には授賞式が行われ、白山さんもステージに登壇しています。
10歳で「東宝シンデレラ」グランプリを受賞してから約3年半で、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞しました。
授賞式のスピーチでは、『秒速5センチメートル』で明里という役に出会えたことへの感謝を伝えました。
さらに、初めて台本を手にしたときに演技の楽しさを知ったことや、出演経験を重ねるうちに思うように表現できず、悔しい思いをしたことも振り返っています。
それでも演技に取り組む中で、次のような自分の気持ちに気づいたと話しました。
不思議とワクワクしている自分がいます。
出典:東宝芸能「白山乃愛『第49回日本アカデミー賞』授賞式に登壇!」(2026年3月17日)
白山さんは、この気持ちに気づいたことで、俳優の仕事を続けていきたいと思うようになったとも語りました。
授賞式では、奥山由之監督や作品を支えた人たちへの感謝も伝えています。
幼いころから好きだった人前での表現は、ドラマや映画の撮影を経験する中で、役を演じる楽しさへと変わっていきました。
白山さんにとって『秒速5センチメートル』は、少女・明里を演じた作品であると同時に、新人俳優賞を受賞し、俳優という仕事への思いを改めて言葉にした作品となりました。
















