PROFILE
人物プロフィール
中島瑠菜さんは、2025年の大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』でちどりを演じ、映画『TOKYOタクシー』では山田洋次監督の現場に加わりました。
2026年には同作で第49回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、俳優として仕事の幅を広げています。
一方、芸能界に入る前は熊本市の川尻で育ち、小学校ではオペレッタ、中学校では弓道に打ち込んでいました。
約9,900人が応募した松竹のオーディションでグランプリに選ばれましたが、そこからすぐに映画の主役になったわけではありません。
今回は、そんな中島瑠菜さんの生い立ちや家族、学生時代、芸能界へ入ったきっかけ、女優として最初の仕事、その後の転機などをご紹介します。
中島瑠菜の生い立ち|熊本・川尻で日本文化に親しんだ幼少期
中島瑠菜さんは、2006年10月10日に熊本県で生まれました。
育ったのは、古い町並みや伝統工芸が残る熊本市南区の川尻です。
幼いころから茶道や生け花に触れ、小学校では舞台に立つ楽しさを知りました。
お寺の幼稚園で茶道や生け花に触れる
通っていたのは、寺が運営する幼稚園でした。
園ではお茶の点前や生け花を習い、正月に親戚が集まると、お屠蘇を配る役も務めていました。
所属事務所のプロフィールにも、生け花は弓道や水泳と並ぶ趣味として記されています。
休日には家族と阿蘇や天草へ出かけ、山や海のある熊本の景色にも親しんでいました。
上京するときには、熊本の空を撮った写真をスマートフォンに残していたといいます。
川尻小学校では、地域の和菓子を考えて販売する活動にも参加し、ミカンを使った一品を作りましたが、完成品が硬くなってしまったという思い出も本人が明かしています。
川尻小学校のオペレッタで魔王を演じる
熊本市立川尻小学校では音楽部に入り、6年生のときに歌と芝居を組み合わせたオペレッタへ出演しました。
演じたのは、物語の中心となる魔王の役でした。
舞台を見た下級生から、役名で声をかけられることもありました。
俳優を意識したきっかけは、小学校6年生の時に音楽部でオペレッタをやったことがとっても楽しかったという思い出が最初だと思います。
出典:Deview「【2024年芸能プロイチ押し新人インタビュー】『松竹JAPAN GP GIRLS CONTEST Supported by BookLive』グランプリ受賞後快進撃の新人俳優・中島瑠菜『一歩を踏み出したことで世界が変わりました』」(2024年1月26日)
ただし、このころから女優だけを目指していたわけではありません。
子どものころは公務員になり、40歳ごろから図書館司書として静かな図書館で働きたいと考えていた時期もありました。
中島瑠菜の家族|両親が名前に込めた願いと兄への憧れ
中島瑠菜さんは、両親、兄、祖父との出来事をインタビューや自身の文章で話しています。
家族の氏名や職業などは公表されていませんが、名前の由来、弓道を始めた理由、芸能界へ進む場面には身近な家族が登場します。
「瑠菜」の名前に込められた両親の思い
「瑠菜」という名前は、両親が「るな」という響きを気に入ったことから決まりました。
漢字の「瑠」には瑠璃のように澄んだ心を持ってほしいという願いがあり、「菜」には菜の花のように周囲を明るくしてほしいという思いが込められています。
オーディションでグランプリに選ばれたあと、驚きや不安を抱えていた時期には、家族や地元の友人が支えになったとも振り返っています。
高校3年生の誕生日には父親からヘッドホンを贈られ、試験勉強中にドビュッシーの『月の光』を聴くときにも使っていました。
兄の弓道姿を見て小学6年生で弓を始める
中島瑠菜さんには兄がいます。
兄が高校の弓道部に入り、その応援へ行ったとき、道場で弓を引く姿を見て自分もやりたいと思いました。
しかし、弓道は小学校の高学年にならなければ始められないと言われ、6年生になるのを待って弓を手にしました。
兄への憧れから始めた弓道は、その後の中学生活と芸能界入りの両方に関わる特技になりました。
芸能界に入ってからも道場へ足を運び、弓を引く時間を持ち続けています。
祖父の縁でお茶会のお運び役を務める
幼稚園で身につけた茶道は、家族との別の思い出にも続いています。
祖父の仕事の縁でお茶会に参加し、着物姿で菓子や茶を運ぶ「お運び」を務める機会がありました。
まだ着物を着慣れておらず、裾を引きずりながら歩いたことを覚えているそうです。
中学3年生の松竹オーディションでは、演技を志望する理由と弓道の両方を審査員に見せることになります。
中島瑠菜の中学時代|弓道県2位から松竹オーディションへ
川尻小学校を卒業した中島瑠菜さんは、熊本市立城南中学校へ進みました。
中学では弓道を続ける一方、小学校のオペレッタで芽生えた演技への関心も消えていませんでした。
城南中学校で弓道二段、市大会1位・県大会2位
城南中学校では大会にも出場し、弓道二段を取得しました。
中学時代の成績は、市大会1位、熊本県大会2位です。
弓道では、射位に立ってから矢を放つまで自分の呼吸と動きに集中します。
本人は後年、弓道は自分との戦いであり、一回に集中する点はオーディションや演技にも似ていると話しました。
大会で結果を残した経験は、やがて大勢の審査員を前に弓を引く場面で披露されます。
中学3年生の夏、高校進学前に自分で応募する
中学3年生になると、高校受験の勉強をしながら進路を考える時期を迎えました。
母親は娘が女優に関心を持っていることを知っており、松竹グループの大型女性オーディションを勧めました。
高校進学前で、進路を決めるなら今なんじゃないかなという思いで応募しました。
出典:タレントパワーランキング「【最新インタビューコメント入り】ドラマ・CMなどで注目された中島瑠菜が映画『なのに、千輝くんが甘すぎる。』で活躍」(2023年3月17日)
書類を送り、審査が進むと、母親や友人に自己紹介や受け答えを見てもらいながら練習しました。
弓道を披露し約9,900人からグランプリに選ばれる
最終審査は、2021年10月31日に東京で開かれました。
当初は自己PRでフラダンスを披露する案もありましたが、スタッフの提案を受けて弓道を選びました。
弓道着をまとって登場し、舞台上で弓を構える姿を15人のファイナリストが集まった最終審査で見せました。
中島瑠菜さんは約9,900人の応募者からグランプリに選ばれ、15歳で芸能界へ入りました。
名前を呼ばれた瞬間はうれしさだけでなく、「これから何が起きるのだろう」という驚きと不安もあったそうです。
グランプリは芸能界に入る入口であり、女優デビューはそのあとのレッスンと出演を経て迎えることになります。
高校進学で上京|レッスンを重ねて女優デビュー
オーディション後、中島瑠菜さんは松竹エンタテインメントに所属し、演技を基礎から学び始めました。
所属後には、初レギュラー、テレビドラマ初出演、映画初出演を別々の仕事として経験していきます。
松竹所属後、毎週末のように東銀座へ通う
2022年1月から、グランプリ後の仲間とグループレッスンを受けるようになりました。
それまで小学校のオペレッタ経験はあったものの、演技を正式に教わるのはこのときが初めてでした。
グランプリを受けたことで、俳優になりたいという曖昧だった気持ちも、はっきりした目標へ変わったと話しています。
オーディションでグランプリをいただいてからすぐレッスンが始まりました。多い時は毎週末、東銀座に通っていました。
出典:東銀座のまちと人「東銀座と私/中島瑠菜(前編)」(2024年1月25日)
2022年2月9日には、所属事務所から松竹エンタテインメントへの所属が正式に発表されました。
高校進学を機に熊本を離れ、2022年春から東京で暮らし始めました。
上京時には約500冊あった漫画から約200冊を選び、4歳から一緒だった犬のぬいぐるみ「チップ」も東京へ連れてきました。
レッスン後には同期と銀座駅まで歩き、マネージャーが買ってくれたオムライスへケチャップで顔を描いたことも、東銀座での初期の思い出になっています。
『シャカレキ!』で初めてテレビ番組へレギュラー出演
所属後の早い時期に決まった仕事が、日本テレビのミニ番組『シャカレキ!〜社会歴史研究部〜』でした。
中島瑠菜さんは2022年7月16日放送回から、社会歴史研究部の高校生・小峰アンナ役で加わりました。
本人にとって初めてのレギュラー番組で、台本に沿って役を演じながら、過去の出来事を短い放送時間で伝える仕事でした。
最初は現場で何をすればよいか分からない状態でしたが、出演を重ね、2025年3月に高校卒業と同じタイミングで番組を卒業するまで小峰アンナを演じました。
『祈りのカルテ』でテレビドラマ初出演
テレビドラマ初出演作は、2022年10月期の日本テレビ系ドラマ『祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録』です。
玉森裕太さんが演じる主人公・諏訪野良太の妹、諏訪野亜衣役に起用されました。
初めてのドラマ出演で、お話をいただいた時はとても嬉しかったです!
出典:日本テレビ「『祈りのカルテ』諏訪野(玉森裕太)の義父役に矢柴俊博、妹役に中島瑠菜が決定!」(2022年10月16日)
初登場は10月22日放送の第3話で、その後も主人公の家族を描く回に出演しました。
高校1年生の秋にテレビドラマの現場を経験すると、次は映画の撮影が始まりました。
映画初出演から初主演へ|高校時代に増えていった演技の仕事
上京した2022年は、レッスン、初レギュラー、テレビドラマ初出演が続いた年でした。
翌2023年には映画館のスクリーンに初めて登場し、同年代の監督が手がける短編作品では主人公を任されます。
『なのに、千輝くんが甘すぎる。』で映画初出演
映画初出演作は、2023年3月3日公開の『なのに、千輝くんが甘すぎる。』です。
学校で注目を集める女子生徒で、千輝に思いを寄せる花咲美結を演じました。
初めての映画出演で、撮影初日を迎えるまではとても緊張していました。
出典:映画『なのに、千輝くんが甘すぎる。』公式サイト「第7弾キャスト解禁!千輝に片想い中のキラキラ女子役で松竹オーディショングランプリ・中島瑠菜が出演!!」(2022年10月31日)
同い年の監督と『そこに光があるなら』で主人公を演じる
同じ2023年、Hulu U35クリエイターズ・チャレンジの短編映画『そこに光があるなら』で主人公・紗苗を演じました。
紗苗は、コロナ禍で学校行事や部活動が中止になった京都の中学3年生です。
監督と脚本を担当したカワイ・ヒバリさんも当時16歳で、俳優と監督が同い年という現場でした。
中島瑠菜さんは、同世代だからこそ演出の言葉に共感できることが多かったと話しています。
意見を取り入れながらも自分が描いた作品像を曲げない監督の姿を間近で見て、自分もそうなりたいと感じました。
映画初出演作では千輝を追う同級生を演じ、その次の短編では物語を背負う役に移りました。
ミスセブンティーン2024で専属モデルになる
俳優の仕事を続けながら、高校3年生だった2024年には「ミスセブンティーン2024」へ応募しました。
応募総数2,816人からファイナリストに残り、読者投票などを経て選出された5人の一人になりました。
応募できる最後の年だったため、合格が決まったときは感無量だったとコメントしています。
2024年10月から『Seventeen』専属モデルとしての活動も始めました。
雑誌では私服や美容だけでなく、自身の受験勉強や大学生活についても話すようになります。
中島瑠菜の高校・大学|学校名は非公表、内部進学で経営学へ
中島瑠菜さんは高校進学と芸能活動の本格化を同時に迎え、仕事と定期試験の両方に向き合いました。
高校と大学の具体的な校名は公表していませんが、本人の話から、内部進学制度を利用して大学へ進んだ経緯が分かっています。
中島瑠菜さんの出身高校と在籍大学について、本人や所属事務所が校名を公表した事実は確認されていないため、ネット上の学校名は確定情報として扱えません。
仕事で下がった成績を立て直した高校時代
通っていた高校では、高校1年生から3年生までの定期試験の結果が大学の専攻選択に反映される仕組みでした。
上京後に仕事が増えると、高校2年生ごろからテストの点数が少しずつ下がりました。
第一希望の学部が難しくなる可能性に直面し、学びたい授業と大学生活の両方を考えて志望分野を選び直しました。
高校3年生では、内部進学の判定で比重が大きい9月の定期試験へ向け、勉強方法を立て直します。
塾へは通わず、得意だった漢文と経済を伸ばし、苦手な数学は解説動画を見ながら学びました。
参考書の解説を声に出して読み、台本を覚えるときにも使っていた音読を試験勉強へ取り入れました。
高校3年生の10月に内部進学が決まる
9月の試験を終え、高校3年生の10月に希望する学部への内部進学が決まりました。
進学が決まった2024年10月は、ミスセブンティーンに選ばれた時期とも重なります。
俳優、専属モデル、高校生という三つの生活を続け、高校は2025年3月に卒業しました。
大学名は非公表、経営学と俳優業を両立する
2025年4月からは大学生となり、経営学を学んでいます。
第2外国語には、音楽や化粧品などにも関心があった韓国語を選びました。
高校時代は上京と仕事で学校生活の時間が限られましたが、大学では授業の合間に友人と話し、サークルにも参加しています。
今、大学では、青春を取り戻している感じです!
出典:Seventeen-Web「【中島瑠菜ちゃんインタビュー】内部進学制度で大学へ『今勉強していることは必ず自分の支えになる』」(2026年1月15日)
その一方で、大学へ入る前後の撮影では、大河ドラマや主演映画という新しい仕事が続いていました。
『べらぼう』から主演映画・新人俳優賞へ
高校卒業から大学進学へ向かう時期には、大河ドラマ、地方を舞台にした主演映画、山田洋次監督作品、長編映画単独初主演が一年余りの間に続きました。
大河ドラマ初出演でちどりを演じる
2025年のNHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』で、大河ドラマへ初出演しました。
演じたちどりは、吉原の河岸見世「二文字屋」で暮らす女郎です。
役づくりでは吉原に関する展示へ足を運び、映画『吉原炎上』も見て、ちどりが置かれた時代と環境を調べました。
第1回から登場したちどりは、第38回で名を「はま」に変え、二文字屋の女将として再登場します。
再登場時には眉を消した特殊メイクを施し、同じ人物が年月を経た姿を演じました。
『蔵のある街』で長編映画のダブル主演を務める
2025年公開の映画『蔵のある街』では、山時聡真さんとダブル主演を務めました。
演じた白神紅子は、幼なじみたちと岡山県倉敷市の街に花火を上げようと動く高校生です。
紅子は自閉スペクトラム症のある兄を支えながら高校へ通い、好きな絵を学んでいます。
幼なじみが兄へ交わした花火の約束をきっかけに、街の人たちを巻き込む計画へ加わっていきます。
撮影は2024年夏に倉敷で行われ、観光地として知られる美観地区だけでなく、地域で暮らす人たちと接しながら作品を作りました。
短編『そこに光があるなら』で主人公を経験したあと、長編映画では初めて主演として名前が並びました。
2025年7月25日に倉敷で先行公開され、8月22日から全国公開されました。
『TOKYOタクシー』で山田洋次監督の現場へ
2025年11月21日公開の『TOKYOタクシー』では、木村拓哉さんが演じるタクシー運転手・宇佐美浩二の娘、奈菜を演じました。
奈菜は音楽大学の附属高校への進学を望んでおり、その学費を工面しようとする両親の生活が物語の背景に置かれています。
中島瑠菜さんにとって、山田洋次監督の撮影現場へ参加するのは初めてでした。
撮影では緊張感のある現場から多くを学ぶ一方、自分の課題も感じたと公開前のコメントで話しています。
15歳で演技レッスンを始めてから約3年で、倍賞千恵子さんや木村拓哉さんらが出演する山田作品の家族役を担いました。
『とれ!』で長編映画単独初主演、新人俳優賞を受賞する
2026年1月16日公開の青春ホラー映画『とれ!』では、主人公の高校3年生・佐藤美咲を演じました。
進学せず地元で就職しようと考えていた美咲が、友人と投稿した心霊動画の反響をきっかけに騒動へ巻き込まれる物語です。
『とれ!』は、中島瑠菜さんにとって長編映画単独初主演作になりました。
その公開に先立つ2026年1月、『TOKYOタクシー』で第49回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞することが発表されました。
3月13日の授賞式では、作品に関わった人たちへ感謝を伝え、再び同じ場所へ戻ることを目標に挙げました。
まだまだ頑張りたい。成長しなきゃいけないと思っています。
出典:Cinema Art Online「第49回 日本アカデミー賞 授賞式 新人俳優賞 レポート」(2026年3月13日)
中学3年生で約9,900人の中から選ばれてから約4年半で、映画俳優として新人俳優賞を受けました。
授賞式後の2026年4月3日には、大島美優さんとのダブル主演映画『ザッケン!』も公開されました。
『ザッケン!』では雑草研究部の活動を通して自分を受け入れていく高校生・杉野ゆかりを演じ、大学生活と並行して主演映画の公開が続きました。















